28February

生命

「密やかな部屋 ーきらめく昆虫標本ー WORLD OF INSECT SPECIMENS」で堪能する昆虫の美しさ

Mariko Tokita Mariko Tokita

この世界にどれだけの種類の昆虫が存在するのかご存知でしょうか。

まだ見つかっていない新種も含め、なんと300万〜500万種もいると言われています。わたしたちの生活に身近なアリでさえ、日本だけで300種もいるのだそうです。

想像もできないほどの多様性を持つ昆虫たちの中には、思いもよらぬ形状をしたものや、鮮やかな色を持つもの、美しい模様を持つものも多数存在しています。

昆虫をこれまでにない“芸術的”な視点から紹介するのは、天神にあるギャラリー「三菱地所アルティアム」にて3月11日(日)まで開催されている展示、「密やかな部屋 ―きらめく昆虫標本― WORLD OF INSECT SPECIMENS」。いったいどんな内容なのでしょうか。

昆虫の美しさ

本展で展示されているのは、2000点もの美しく芸術的な昆虫たち。国内最大を誇る九州大学総合研究博物館の400万点を超える昆虫標本コレクションの中から厳選されています。

ビロードのような羽、宝石のような輝き、ひとつの標本の中にいくつにも重なる色のコントラスト。鮮やかな色の壁に飾られた標本たちは、さながら美術品のようです。

受付で虫メガネを借りれば、より細部までまじまじと見ることもできます。


盛りだくさんの見どころ

本展で展示されているのは標本だけではありません、昆虫・植物画や昆虫写真、九州大学の歴史的な家具を使用したその空間構成など見どころが盛りだくさん。

“説明するための絵”として写実的に描かれた昆虫・植物画は、科学的な正確さだけでなく、そのレイアウトやコントラストのつけ方は芸術的にも美しく、緻密な線につい見入ってしまいます。

什器として使用されているのは、九州大学所蔵の歴史的な家具。明治時代から使用されている家具とあって、標本や昆虫・植物画という“時が止まったものたち”とつくりだす空間は、ここだけ時の流れがゆるやかになったような不思議な感覚になり、ゆっくりと展示を楽しむことができました。

最後の部屋に飾られているのは昆虫写真。ピントが合った部分のみを合成して仕上げる「深度合成写真撮影法」を用いて、肉眼では見ることのできない昆虫の一部分をクローズアップして撮影したものが並んでいます。この美しさは、ぜひご自身の目で体感してください。

昆虫が好きな方も、苦手な方も

本展の素晴らしいところは、昆虫が苦手な方には美しいという視点から、好きな方にはその充実の内容から、どちらの方にも楽しめる展示であること。それもそのはず、いまさまざまな方面で活動をされている昆虫学者・九州大学総合研究博物館准教授の丸山宗利先生が監修で入られています。

「芸術性のある大人向けの昆虫展にしたかった」とは、三菱地所アルティアム ディレクターの鈴田さん。使用する什器、レイアウトなど細部にまでこだわってつくりこんだ秘密の小部屋のような空間が、時間のとまった“標本”のもつ魅力をさらに引き立たせています。

ギャラリー併設のミュージアムショップ「.g(ドットジー)」には昆虫にまつわるアイテムがずらり。昆虫の標本をとじ込めたキーホルダーや、1700~1800年代発行の貴重な昆虫博物画のバラ販売など、昆虫に魅了された本展でのテンションそのままに楽しむことができる充実のラインナップです。


本展で初めて不思議な形状をもつ小さな昆虫“ツノゼミ”を知った私は、ギャラリーの出口付近に置いてある丸山先生の著書に釘付けでした。

昆虫が苦手な人にこそおススメしたい、昆虫への新たな見方を教えてくれる展示ですので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

「密やかな部屋 ーきらめく昆虫標本ー WORLD OF INSECT SPECIMENS」

本展メインビジュアル

場所:三菱地所アルティアム
会期:2018年1月20日(土) − 3月11日(日)
時間:10:00 - 20:00
休館日:2月20日(火)、2月21日(水)
入場料:一般 400円、学生 300円、高校生以下無料   ※再入場可
Webサイト:「密やかな部屋 ーきらめく昆虫標本ー WORLD OF INSECT SPECIMENS」

Mariko Tokita

Mariko Tokita
ライター

2014年に東京から福岡へIターン。デザイン事務所広報・Webメディア運営を経て、現在は文具・雑貨メーカーの広報とライター業を行う。旅行と食べ歩きと映画が好き。